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安く直すために、全部を自分でやる必要はなかった

2026.09.15


古い家の修繕費を抑えようとすると、「自分でやれば安くなる」と考えたくなる。

僕も、伊東で買った家を自分で直してきた。ただ、全部を自分でやったわけではない。

全部を自分でやるか、全部を業者へ任せるか。その二つだけで決めたわけではない。

自分で払う材料費だけを見ると、DIYの方が安く見える。でも、失敗した時に増える作業や、高い場所で怪我をした時に失うお金と時間まで考えると、価格だけでは決められなかった。

同じ足場でも、作業を分けた

外壁と軒天は、同じ足場を使って作業していた。

それでも外壁は自分でやり、軒天は大工さんへ頼んだ。煙突まわりも大工さんに手伝ってもらった。

大工工事の実支出は約50万円だった。これは軒天や煙突まわりなどを頼んだ工事の金額で、修繕全体の総額ではない。

煙突は重く、作業する場所も危なかった。大工さんと二人でやってよかったと思っている。費用を払って頼む場所と、自分で手を動かす場所を分けた。

失敗すると、材料費だけでは終わらなかった

煙突を通す穴は、位置を間違えて開けてしまった。

開けた穴は簡単には元へ戻らず、ふさぐ作業が増えた。DIYに使う材料の値段だけを見ていたら、このやり直しの手間は計算から抜けてしまう。

だからといって、この失敗をきっかけにDIYを全部やめたわけではない。自分でやることと、人の手を借りることは、両方あってよかった。

失敗した後にやり直せるのか。間違えた時、雨や家の劣化、そこでの生活にどこまで影響するのか。作業を始める前に見るものは、値段以外にもあった。

怪我をしたら、節約の意味が変わる

屋根の上のような高い場所では、怖さや危なさがあった。

もし落ちて怪我をすれば、治療費がかかる。直すための時間だけでなく、治療や回復に使う時間も失う。

家を安く直すためにDIYをしているのに、怪我でお金と時間を失ったら意味がない。高い場所や重い物を扱う作業は、その可能性まで含めて考える必要があった。

全部を一度に直さず、優先順位を決めた

古い家には、直したい場所がいくつもあった。でも、全部を一度に直すことはできなかった。

そこで、雨に関わるか、劣化が進みそうか、今の生活に影響するかを見ながら順番を分けた。自分でやる場所もあれば、大工さんへ頼む場所や、塗装屋さんへ頼む場所もあった。

急がないものは後へ回す。自分で直せるものは自分でやる。失敗した時の影響が大きいと感じたものは、人に頼む。

「DIYができるか」だけでなく、「今回はどこまで自分で引き受けるか」。作業ごとに分ける必要があった。

試す前に、五つだけ分けてみる

ここからの五つは、上の経験をもとに、作業前に確認したいことを読者が試せる形にまとめたものだ。

  1. 高さと危険:高い場所や、重い物を扱う作業ではないか。
  2. 失敗した時の影響:間違えた時、雨、劣化、生活に影響が広がらないか。
  3. 費用:材料や工具だけでなく、やり直しに使うお金も考えられるか。
  4. 時間:作業時間に加えて、失敗や怪我で失う時間を引き受けられるか。
  5. やり直しやすさ:途中で止めたり、元へ戻したり、人へ頼み直したりできるか。

まずは直したい箇所を一つ選び、五つのうち分からないものを見つける。そこを作業前に人へ相談してから、自分でやる範囲を考える。

自分でやるところ、人に頼むところ、今は後へ回すところ。僕の修繕は、その境界を決めながら住める状態を作っていくものだった。

安く直すことは、目の前の支払いを一番小さくすることだけではなかった。失敗した後の負担と、自分の生活に残る時間まで守れる方法を選ぶことだった。