手取り15万円前後では足りなくて、もう1つ仕事を増やそうか考えることがあります。
始める前に、時間と保険について、両方の勤務先で確かめておくことをまとめました。
先に結論
2つの仕事の予定を並べ、丸一日休める日が残るかを先に見ます。
そのうえで、両方の勤務先に働く日と時間を伝え、保険の扱いを確かめます。何をどこで聞くかは、次の表にまとめました。
この記事は、雇われて働く65歳未満の人向けです。
2026年9月25日時点の内容です。制度は変わることがあるので、始める前に公式の案内を見直してください。
何を、どこで確かめる?
| 確かめること | どこで |
|---|---|
| 雇われる仕事か、業務委託か | 新しい勤務先(契約書・労働条件通知書) |
| 副業のルール | 今の勤務先(就業規則など) |
| 働く日と時間、残業の見込み | 両方の勤務先に伝える |
| 社会保険に入るか | それぞれの勤務先。両方で入るなら、自分で日本年金機構へ届け出る(10日以内) |
| 雇用保険はどちらで入るか | 主な賃金を受ける1か所だけ。迷ったらハローワーク |
| 仕事中・移動中のけが | 両方の勤務先(雇われていれば対象) |
出典:1、2、3、4、6
僕が2つの仕事をしたとき
2026年1月から6月にかけて、僕は2つの仕事をしていました。
昼は観光施設、もう1つはマンション管理人の仕事です。管理人の夜勤が先にあり、そこへ昼の仕事が加わりました。
当時の勤務パターンを月単位で計算すると、昼は154時間、管理人は68時間ほどで、合わせて約222時間でした。
夜勤明けに次の仕事へ向かう日もあり、丸一日休める日は週1日程度という感覚でした。
雇用保険と社会保険に入っていたのは、昼の観光施設の仕事だけでした。
管理人の仕事では、どちらにも入っていませんでした。
これは僕の場合の記録です。扱いは、契約の形や働く時間、勤務先によって変わります。
当時の時間と収入のことは、次の記事に書きました。
「月222時間働いても、生活に余裕があるとは思えなかった」 https://15manlife.work/posts/time-and-income/
新しい仕事は「雇われる」仕事?
最初に、新しい仕事が雇用契約かどうかを確かめます。
この記事の時間と保険の話は、雇われて働く場合のものです。
フリーランスなど、労働基準法が適用されない働き方の時間は、労働時間の通算に入りません。
業務委託の契約で働く場合は、この扱いになることがあります。
契約の形は、契約書や労働条件通知書で確かめます。書面で見る項目は、次の記事にまとめています。
「シフト制で働く前に、労働条件の書面で先に見る項目」 https://15manlife.work/posts/work-conditions-notice-checklist/
出典:1
働く時間は、2つ合わせて数える?
雇われて働く仕事が2つあると、労働時間は2つの勤務先で通算されます。
勤務先の会社が違っても同じです(労働基準法38条)。
法律で決まった労働時間は、原則1日8時間・週40時間です。
2つを合わせてこれを超えた部分は、時間外労働になります。
どちらの勤務先の時間外労働になるかは、決まった順番で通算して判断します。
もともと契約で決めた時間は契約した順、それを超えて働いた時間は実際に働いた順に数えるのが原則です。そうして数えて、法律の時間を超える部分が出た側の時間外労働になります。
あらかじめ、それぞれの勤務先で働く時間の上限を決めておく方法(管理モデル)を取ることもあります。
自分の場合にどうなるかは、勤務先に確かめます。
一方、休憩・休日・年次有給休暇は、2つの勤務先で合わせて数えません。
丸一日休める日が週に何日残るかは、2つの予定を並べて、自分で数えておきます。
なお、副業・兼業の労働時間の扱いは、国の審議会で議論が続いています(2026年9月時点)。上に書いた現行の扱いが変わったという意味ではありません。
出典:1、7、8
両方の勤務先に、何を伝える?
今の勤務先では、先に副業・兼業のルール(就業規則など)を確かめます。 新しい仕事を探す段階では、働く時間や残業があるかも調べておきます。
勤務先は、働く人からの申告などで、もう一方の仕事を把握します。 国のガイドラインでは、次のことを確かめて、合意しておくのが望ましいとされています。
- もう一方の仕事の内容
- もう一方と契約した日と、契約の期間
- もう一方で働く日、時間、始業と終業の時刻
- もう一方での残業の有無と、見込みの時間
- 実際に働いた時間を、どうやって伝えるか
副業・兼業について相談や申告をしたことを理由に、不利益な扱いをすることはできない、とガイドラインに書かれています。
出典:1
社会保険は、2つ合わせて判定される?
健康保険・厚生年金に入るかは、勤務先ごとに判定します。 2つの勤務先の時間や賃金は、合計しません。どちらの勤務先でも条件を満たさなければ、合計すると条件を超えても加入にはなりません。
両方の勤務先で加入条件を満たしたときは、両方の事業所で加入対象になります。手続き上の主たる事業所を選んで、本人が「被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を日本年金機構へ出します。
期限は、両方で入ることになってから10日以内です。加入する勤務先を片方だけにする、という意味ではありません。
保険料は、2つの給料を合計した額で決まり、給料の割合で2つの勤務先に分けられます。
1つの勤務先で加入の条件を満たすかは、次の記事にまとめています。
「パートやシフト制で働くとき、社会保険の加入対象かを公式の条件から確かめる」 https://15manlife.work/posts/part-time-social-insurance-check/
出典:1、2、3
雇用保険は、どちらで入る?
雇用保険は、社会保険とは別の制度です。 入る条件(週20時間以上、31日以上の雇用の見込み)は、1つの勤務先で満たす必要があります。2つの勤務先の時間は合計しません。
両方の勤務先で条件を満たすときは、生活を支える主な賃金を受ける1か所だけで入ります。 どちらで入っているかは、それぞれの勤務先に確かめます。
65歳以上の人には、2つの勤務先の時間を合わせて入れる制度(マルチジョブホルダー制度)があります。65歳未満の人は使えません。
雇用保険に入っていた期間は、辞めたときの失業手当に関わります。受けられる条件は、次の記事にまとめています。
「パート・契約の仕事を辞めるとき、失業手当を受けられるかを公式の条件で確かめる」 https://15manlife.work/posts/unemployment-benefit-check/
出典:1、4、5
仕事中や移動中のけがは?
労災保険は、雇われて働いていれば、副業をしているかどうかに関係なく、それぞれの勤務先で対象です。
2つ以上の会社に雇われている人がけがや病気をしたとき、休業などの給付は、すべての勤務先の賃金を合計した額をもとに決まります。 病気が仕事によるものかを判断するときも、1つの勤務先だけで認められない場合は、すべての勤務先の負荷(労働時間やストレスなど)を合わせて評価します。
両方で雇われている場合、1つ目の勤務先から2つ目の勤務先へ移動する途中の事故は、通勤災害として労災保険の対象になります。
出典:1、6
この記事で分からないことは?
この記事は、公開されている公式の情報を、2026年9月25日時点で整理したものです。 次のことは、この記事では答えを出せません。
- 自分が社会保険や雇用保険に入るかどうか
- 自分の場合に、どちらの勤務先の時間外労働になり、割増賃金がいくらになるか
- 税金(年末調整・確定申告)のこと
- 業務委託で働く場合の保険のこと
労働時間は勤務先か労働基準監督署、社会保険は年金事務所、雇用保険はハローワークで確かめられます。
サイトの考え方は、「このサイトについて」にあります。 https://15manlife.work/about/
あわせて読みたい記事
仕事を増やす・続ける・辞めるときに、僕が何を見ていたかの記録です。
「仕事を増やす・続ける・辞める時に、自分は何を見ていたのか」 https://15manlife.work/posts/work-continue-quit/
出典
この記事は、次の公式の案内をもとにしています。番号は、各見出しの終わりの「出典」の番号です。
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副業・兼業の促進に関するガイドライン(令和4年7月改定)|厚生労働省(PDF) 労働時間の通算と、通算されない働き方、休憩・休日・年次有給休暇は通算しないこと、勤務先が確かめる事項、働く人の対応、相談・申告による不利益な扱いの禁止、労災保険(賃金の合算、勤務先間の移動)、雇用保険と社会保険の扱い https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000962665.pdf
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複数の事業所に雇用されるようになったときの手続き|日本年金機構 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届(本人が提出、10日以内)、報酬の合算と保険料の按分 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/hihokensha1/20131022.html
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短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大Q&A集(令和6年10月施行分、問50)|日本年金機構(PDF) 加入の条件は勤務先ごとに判断し、2か所の賃金や労働時間を合算しないこと https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2021/0219.files/QA0610.pdf
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雇用保険 Q&A~事業主の皆様へ~(Q1、Q6)|厚生労働省 雇用保険に入る条件、複数の会社で働く人は主な賃金を受ける1社だけで入ること、条件は1社で満たす必要があること https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000140565.html
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Q&A~雇用保険マルチジョブホルダー制度~|厚生労働省 65歳以上の人が2つの勤務先の時間を合わせて入れる制度 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139508_00002.html
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複数の会社等に雇用されている労働者の方々への労災保険給付が変わります|厚生労働省(PDF) すべての勤務先の賃金を合算して給付額を決めること、すべての勤務先の負荷を総合的に評価すること https://www.mhlw.go.jp/content/000645682.pdf
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労働条件分科会(第211回)資料No.2-1「今後の議論の進め方(案)」|厚生労働省(PDF、2026年9月16日) 副業・兼業が、審議会で議論する論点に入っていること https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001749947.pdf
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労働基準法(32条、38条)|e-Gov法令検索 法定労働時間(1日8時間・週40時間)、事業場が違っても労働時間を通算すること https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049