手取り15万円と聞くと、このままで大丈夫なのかなと思う。
もっと頑張った方がいいのか。仕事を増やした方がいいのか。今の仕事を続けていていいのか。
僕自身、そういうことを考えたことがある。
時給は1,300円くらい。1日7時間、月に20日ほど働いていた時期、額面は18万円台になって、そこからいろいろ引かれ、手取りは15〜16万円くらいだった。
手取り15万円は、どこかの統計で見た数字ではない。実際に働いて、自分の手元に残っていた金額だった。
ただ、その数字だけを見ていても、自分の生活が何に苦しくなっているのかは分からなかった。
手取り15万円だけでは、自分の生活は分からなかった
手取り15万円と聞くと、少ないと思う。将来のことを考えると、不安になる。
でも、同じ15万円でも、その15万円を得るために使っている時間は同じではない。
家賃が毎月かかる人もいる。働き方によって、休んだ時の収入や、確認することも違う。生活の中に、車や借入のような重い支払いがある人もいる。
手元に残る金額は同じでも、生活の重さまで同じとは限らない。
僕の場合、手取り15〜16万円には、1日7時間、月20日ほど働く時間と、雇われて働いていたことと、その時の生活費が入っていた。
15万円は生活そのものではなかった。いくつかの条件が重なった結果として、手元に残っていた数字だった。
だから、15万円で大丈夫かを考える時も、金額だけを見て答えを出すのは難しい。
収入が増えても、余白が増えるとは限らなかった
以前、二つの仕事をしていた時期がある。
月の勤務時間は約222時間だった。手取りは、二つを合わせて月24万円前後という感覚だった。
15万円台だった時より、数字だけ見れば収入は増えている。
それでも、僕は生活に余裕があるとは思えなかった。
夜勤と日勤が続く日もあった。丸一日休める日は、週に一日くらいという感覚で、自由時間は仕事と仕事の隙間に追いやられていた。
これは、二つ仕事をするべきではないという話ではない。
僕の場合は、収入が増えたことと、生活に余白ができたことが同じではなかった、というだけの話だ。
お金が増えれば助かる場面はある。
でも、そのために使う時間や、家に帰った時に残る気力までなくなっていたら、自分の中では生活が楽になったとは言えなかった。
もっと稼ぐかを考える時にも、先に見た方がいいものがあると思う。
今の生活には、いくら必要なのか。そのために、自分は何時間を使っているのか。
月222時間働いていた時のことは、月222時間働いても、生活に余裕があるとは思えなかったに書いた。
必要な収入は、住居費と固定費でも変わった
僕は埼玉に住んでいた頃、月5万円くらいの家賃を払っていた。
家賃は毎月必ず出ていくお金だった。仕事を休んだり、収入が減ったりすると、次の仕事を急いで考えなければならない感覚が強かった。
その後、伊東で安い家を買って暮らすようになり、毎月の家賃はかからなくなった。
それだけで生活の問題がなくなったわけではない。古い家には修繕がある。車も必要で、食費や光熱費もかかる。何かが壊れた時には、直すか後回しにするかを自分で考えなければならない。
それでも、毎月5万円の家賃を払い続ける状態から離れたことで、自分に必要な収入の見え方は変わった。
以前と同じように、すぐ次を決めなければならないのか。手取り15万円くらいでも、少し考える時間があるのではないか。
そう思えた部分はあった。
これは、家を買えば低い収入でも大丈夫だという話ではない。
僕の場合は、住居費という一つの条件が変わったことで、生活を支えるために必要だと思う収入の線も変わった、という話だ。
家賃、車、借入、修繕、家族のこと。人によって、毎月の生活を重くしているものは違う。
必要な収入をどう考え直したかは、手取り15万円の仕事を休んだ時、必要な収入を考え直したに書いた。
同じ15万円でも、働き方と備えは同じではない
僕が手取り15〜16万円だった時、それは雇われて働いた結果として手元に残った金額だった。
でも、同じ15万円という言葉の中には、いろいろな働き方が混ざっている。
給与から引かれた後の手取りなのか。
業務委託で受け取った報酬なのか。
自分で仕事をして得た売上なのか。
同じように見えても、そのまま生活に使える金額なのか、休んだ時にどうなるのか、何を自分で負担するのかは同じではない。
どの働き方が得かを決めたいわけではない。
自分の15万円を考える時は、数字の横に、これはどういう働き方から来ているお金かを置いてみた方がいいと思う。
今の働き方には、何が付いているのか。
休んだ時、どこに確認すればいいのか。
収入が止まった時に、一人で抱え込まずに確認できる場所があるか。
制度を全部知っていなければいけないわけではない。
ただ、何も分からないまま不安になるより、自分が確認する場所を持っておく方がいいと思う。
残るのは現金だけではない
生活費を払うために働くことは必要だと思う。
でも、仕事だけで生活全部を埋めると、生活費は払えても、何のために暮らしているのか分からなくなる時がある。
月222時間働いていた時の僕は、収入を増やしていた。でも、自由時間は仕事と仕事の間に追いやられていた。
その状態がずっと続いたら、自分は何を残せるのかと思った。
仕事以外に、少し楽しいと思えること。何かを作る時間。家で落ち着く時間。人によって残したいものは違う。
生活が成立した後に何をしたいのかは、収入を考える時に後回しにされやすい。
でも、働く時間を増やすか、固定費を見直すか、今の仕事を続けるかを考える時に、残したい時間まで含めて考えていいと思う。
手取り15万円が少ないか多いかだけではなく、その生活で現金と一緒に何が残るのか。
時間なのか。気力なのか。休める日なのか。次のことを考える余白なのか。
そこも、自分の生活の中身だと思う。
自分の15万円を、まず7行で書く
手取り15万円が不安な時、いきなり人生全部の答えを出さなくていいと思う。
家計簿を完璧につける前に、まず自分の15万円の中身を七行だけ書いてみる。
- 自分の最低生活費
- 15万円を得るために使っている月の労働時間
- 雇用形態と、今の働き方に付いている保障
- 家賃、車、借入などの重い固定費
- 収入が止まった時に確認する安全網や相談先
- 毎月残る現金、時間、気力
- 残った時間で、本当は何をしたいのか
全部を正確に出せなくてもいい。今は分からない項目があってもいい。
まず、15万円という一つの数字を少し分けて見る。
そうすると、自分が困っているのは本当に収入額なのか、それとも働く時間なのか、家賃なのか、先が読めないことなのかが、少し見えやすくなる。
今いちばん詰まっている条件を、一つだけ選ぶ
七つ書いたら、全部を一気に変えようとしなくていい。
今の自分の生活で、一番詰まっているものを一つだけ選ぶ。
収入が足りないことかもしれない。
働く時間が長すぎることかもしれない。
家賃や車のような固定費かもしれない。
仕事の予定が読めないことかもしれない。
収入が止まった時に何も分からないことかもしれない。
どれが一番苦しいかが分かれば、次に考える場所は少し絞れる。
僕自身も、収入、住む場所、予定、休める時間のどれを先に見るべきか、その時々で考え直してきた。
まだ、これなら長く続けられると言える答えは持っていない。
15万円だから失敗ではない、と言いたいわけではない。
15万円だから安心だ、と言いたいわけでもない。
全部を一度に解決しなくていい。まず、自分の生活で一番詰まっているところを一つ見る。
そこが分かれば、まだ答えが出ていなくても、次に見る場所は見つかると思う。
仕事を増やすか、続けるか、外すかを考える時に見ていた条件は、仕事を増やす・続ける・辞める時に、自分は何を見ていたのかにまとめている。